2013年2月24日日曜日

覚悟を決めた女は強し。「放課後ライトノベル」第70回は『聖剣の刀鍛冶』で女性達の戦いを見届けます_1

 今回の「」では,いよいよ物語も佳境に入ってきた『聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)』を紹介する。  聖剣というとゲーム,とくにRPGではしばしば物語の鍵となるアイテムである。手に入れるのに特別な手順が必要で,それを手に入れない限りゲームが進まないこともしばしば。その割に数値上はもっと強い武器が結構あったりして,あんまり扱いが良くないあたりが泣ける。なにせ20年前にはすでにチェーンソーで神をバラバラにしてたくらいですからなあ……。  とはいえ『聖剣の刀鍛冶』が世に出てきたときには,その聖剣を「鍛造する」つまりは人の手で作り出そうという設定を,驚きとともに受け止めたのもまた事実。聖“剣”なのに“刀”鍛冶という点にも興味深いものがあった。まあ,確かに聖剣を「鋳造」しちゃうというのも,ちょっとロマンがないしね。  近年のライトノベルでは貴重なファンタジー作品として人気を博し,2009年にはアニメ化も行われた本作,ドラゴンクエスト10 RMT,現在はどんな展開を迎えているのか? 1年ぶりに刊行された,最新11巻の魅力に迫る。 『聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)11』 著者:三浦勇雄 イラストレーター:屡那 出版社/レーベル:メディアファクトリー/MF文庫J 価格:609円(税込) ISBN:978-4-8401-3931-1 ●少女騎士と聖剣の刀鍛冶が出会うとき,運命が回りだす  本題に入る前に,まずは物語の流れを簡単におさらいしておこう。  大陸の北端,ブレア火山の麓に位置する独立交易都市ハウスマン。都市と市民を守る役目を負う,自衛騎士団に所属するセシリー?キャンベルは,あるとき若き鍛冶師ルーク?エインズワースが手にする刀を目にし,その業に惚れ込む。彼と共にさまざまな出来事を経験する中で,セシリーは大陸に隠された秘密を知ることになる。  かつて大陸全土に大量の血と悲劇をまき散らした「代理契約戦争」。その元凶となった悪魔契約人間を悪魔化させる禁忌の術法は,大陸史上最大最悪の人外「ヴァルバニル」によって生み出された。今では半ば伝説上の存在と思われているその魔物は,現在も生きており,ブレア火山の奥深くに封印されていたのだ。  その封印は徐々に弱まっており,戦国IXA RMT,このままでは遠くない未来にヴァルバニルが復活するのは必至。ルークはそんなヴァルバニルを封印できる唯一のアイテム“聖剣”を作り出す使命を負った,聖剣の刀鍛冶なのである。  彼の背負うものを知り,彼の刀となって共に戦おうと誓うセシリー
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